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GODZILLA 星を喰う者 感想

GW時間があったので、改めてアニメ版ゴジラ3作を一気見したら当時と違う感想があるかな?と思って見てみたのですが、感想は変わりませんでした。

3作ともレビュー書こうかなと思いましたが、どうしても終章である3作目がオススメ出来ないので、

先に結論だけ書くと、アニゴジは時間を潰すのにはいいのですが、3作目である本作は、1,2作目と比べると起伏が少ないため格段に退屈な内容です。  

アニゴジ3部策の完結作です。本記事はネタバレを含むため読む際は十分注意して下さい。

はじめに

このゴジラシリーズは、シリーズ第30〜32作目にしてゴジラ初の長編アニメーション映画作品となり、全3部作構成

第1章『GODZILLA 怪獣惑星2017年11月17日

第2章『GODZILLA 決戦機動増殖都市2018年5月18日

第3章『GODZILLA 星を喰う者2018年11月9日

上記の順で公開されました。 劇場公開後、動画配信サービスNetflixで全世界配信されており、この反響(インパクト)は製作陣のインタビューでも語られています。 https://gigazine.net/news/20181108-godzilla-the-planet-eater-interview/  

あらすじ

本作品は前作「決戦機動増殖都市」でメカゴジラシティによってゴジラを仕留められなかった所から始まります。 そのため1作目2作目を見ていないと楽しめない内容になります。

メカゴジラシティによってゴジラを倒せず、もはやゴジラに対抗する術をなくし絶望する人類。

軍属神官「メトフィエス」はこれを利用して「神による救済」を説き既存人類の信仰者を増やし、自分たちが崇める神を呼び出す準備を始めます。 これがエクシフの真の目的とタイトルにも使われているキングギドラの布石になっています。

多々「ストーリーが難解、宗教色が強い」という意見を目にしましたが、宇宙人や残像人類がいる世界観ならこんなもんだろという程度です。

ストーリーは良くある虚淵脚本で、信仰そのものはギドラを召喚するための舞台装置。 最初からメトフィエスたちを神官と言う設定にして、一定の割合で祈る描写を入れていたのはこのための布石以外何物でもありません。 むしろ残像人類である地球原住民の文化や風習の方が馴染みが無いので難解でした。  

感想

5段階で評価するなら約1.8点です。 作品がSFなので見る人を選ぶのと、エンタメとしてもう一捻り欲しいのにそれが無く、単純につまらないと言うのが致命的だと思いました。

---この先ネタバレを含みます---

正直感想として書けるほど作品に内容が無いです。

というのも映画として気になる部分、ネタバレの多くは映画の宣伝に使用されている内容で大体分かるからです。

特に本作品のメインビジュアルや前売りチケットでもキングギドラが大々的に使われており、視聴者の多くは 「今回はゴジラvsキングギドラなんだ!」ということがわかります。

見ている途中にキングギドラの鳴き声が出てきた時のワクワクと、怪獣のデザインが刷新されているのは非常に良い試みだと思いました。

つまりギドラが登場する前までが期待のピークで、そこからは概ね分かっているので、映像効果や戦闘シーンなどの工夫で、予想や期待を上回らないと起伏が無く非常に単調です。 更に宣伝で使われている軍属神官「メトフィエス」(cv:櫻井孝宏)の

「伏して拝むがいい──黄金の終焉を」

という台詞からエクシフの信仰(目的)の先にあるものがギドラ(キングギドラ)の召喚だということがわかります。

見る前から分かっている事を、捻り無く見せ続けられるというのは退屈な時間でした。個人的に一番気になったのが、主人公「ハルオ」と軍属神官「メトフィエス」のやり取りが繰り返されるのですが、これが何度も似たようなパート、特にハルオの子供の頃を利用しておりアバンとして回想描写や心理描写を利用しているのが見ていてつまらなかったです。

視聴者としてはお金を払ってCGで描かれたキャラクターの過去シーンを見たいわけでは無く、多数は怪獣同士や人間がどう闘うか、どう行動するかが見たいのではないでしょうか。

平たく言えば「怪獣映画見にきたんだからもっと動かせよ!」って感じです。

特に後半心理的なやり取りが多くなり、見ている途中に「この映画予算が無いのかな」と思わせられるほど…

最終的に心理的葛藤の末にメトフィエスを倒すという分かりきった内容でした。

人間ドラマが冗長な割にキャラクターに魅力が無いのと、 カタルシスがさほど無く考えさせられるような内容が無いというのも駄目な所で、どうしても入り込めないんですよね。

カメラワークが駄目なのもあり、全体的にもう少し工夫を考えた方が良かったのではないかな、と言うのが正直な感想です。

戦闘シーン

ギドラが並行世界からゲートのような物を介して出現しており、vsゴジラにおいて並行世界からの干渉(攻撃)というのがいかにも虚淵玄ぽいなと思いつつも、特撮では描写されない良い発想だと思いました。

特にゴジラの先手、放射熱線をギドラが真っ向から湾曲させて防ぐのは良い試みだと思います。ただし攻撃パターンが噛み付くだけ、しかも1回のみという超手抜き。

破る手段が「一方的に攻撃出来ているという事は同一次元に干渉している媒体があるのでそれを破壊するんだ!」は虚淵脚本ぽい想像通りの展開で、ゴジラの凄さをもう少し見せてくれよという感じです。 倒す時もギドラの部分はキラキラと消えていくだけで、ゲートの用な部分が爆発するのは演出上完全にミスだと感じてます。

このゴジラが微妙な感じに責められるのは特撮シリーズでも度々ありますが、そこからの盛り返しにバネが無いため毎度微妙だなと思います。

まとめ

三部構成として、話は纏まっているんですが、エンターテイメントとしては今一つ。

既定のゴジラ路線からの脱却と言う意味合いは果たしていると思いますが、新しい付加価値をつけられている程でもないといった感じです。

内容的にも興行的にも、この先アニゴジが続くか本当に微妙なラインだったと思います。実際、新規にNetflixで作成された「ゴジラ S.P<シンギュラポイント>」は大分面持ちの異なる作品でした。

明らかに劇場で見るほどの作品ではありませんが、とうの昔に公開終わっているので、興味がある人は3作全てレンタルして一気観してもいいと思います。  

今週のお題「おうち時間2021」

 

ゴジラ 星を喰う者 感想