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「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」良かったので感想

GW時間があったのと、日本国内でも公開予定の「ゴジラvsコング」の復習を兼ねて改めてゴジラ キング・オブ・モンスターズ見直しました。

全体感としてはいい作品だったと思いますが、いまひとつな点もチョイチョイあり、私の友人はそこを論ってつまらんと批判していたので賛否あると思います。

はじめに

本作品は2014年公開の「GODZILLA ゴジラ」続編にあたり令和初のゴジラになります。 レジェンダリー・ピクチャーズ製作の怪獣映画のクロスオーバー作品となっており、 モンスターバースシリーズとしては第3作目の映画になります。

  1. GODZILLA ゴジラ』(ハリウッド版)
  2. キングコング: 髑髏島の巨神
  3. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
  4. ゴジラ vs コング

 

あらすじ

前作から五年後、ゴジラとムートーの戦いで子供を失った家族が主人公のストーリー。 母親であるエマ・ラッセルは「モナーク」と呼ばれる極秘裏に怪獣の調査を行っている秘密機関に所属し、怪獣と音声で交信できる装置"オルカ"を開発します。

この装置を悪用しようと企むアランと呼ばれる環境テロリストグループに捕まります。

しかし、これは利用する側とされる側が、互いに怪獣を利用し地球を浄化するというラスボス的思想がお互いに噛み合った結果でした。

全世界で17体確認されている怪獣の中でゴジラ級と思われる南極の氷塊に眠る怪獣"モンスターゼロ"(ギドラ)を目覚めさせることを画策。

"モンスターゼロ"の復活を察知したゴジラが出現し、怪獣達の命運を掛けた戦いが始まります。

これに巻き込まれる、娘マディソン・ラッセルとそれを追っていく父マーク・ラッセルがストーリーの主軸になっています。  

感想

この作品を簡単に説明するとハリウッド版「三大怪獣 地球最大の決戦」及び「ゴジラキングギドラ」です。

今までのハリウッド版ゴジラと違い、過去作品の焼き回しの要素が強いので良く出来ています。

現在のハリウッドの撮影技術を利用して怪獣映画を作成すると、こんな感じでCGクオリティが高い作品を作る事が出来るのかと感心しました。

怪獣の動きが凄まじく、特撮にないスピード感と躍動感が有ります。

音楽と怪獣の鳴き声は日本版ゴジラをリスペクトしたアレンジとなっており、 特に鳴き声はオリジナル音源や動物の鳴き声を録音して「現代の作風に合うような音」として作成されていたようで、ギドラが少し違う以外気になる部分は無く、良い変化として聞けました。

自分がゴジラを見ているんだなと再認識できますが、モスラのテーマだけは聞いてて少し恥ずかしくなってしまうのは何故なのでしょうね(笑)。

一部の音楽の背景音に般若心境を利用したり、クレジットロールの最後にスーツアクターだった故中島春雄さんの名前が入っているなど随所に日本をリスペクトした内容がありました。

ただしストーリの軸は人間視点と怪獣視点を混成した形で進められていて、下記の2点が混在するため、どこか視点がぼやけてしまう感じが否めません。

  1. 怪獣同士の戦いにスポットが当てられるCGバトル物
  2. 人間が怪獣から逃げ回ったりする所にスポットが当てられるパニックムービー

後者が嫌いな人はつまらないと感想なのも理解できます。

 

各怪獣の感想

キングギドラ / KING GHIDORAH

https://godzilla-movie.jp/2019/images/monster_ghidorah_f.jpg

”モンスター・ゼロ”というコードネームで呼ばれており、"Ghidorah(キングギドラ)"の名は後にチェン博士(チャン・ツィイー)が伝承から読み解き名付けます。

「自然の摂理に従った存在ではない」宇宙から来たという事が名言されており、旧来から持っている宇宙超怪獣という設定はそのままです。

「東洋の龍」をイメージしたデザインで「引力光線」を使うなど過去作と同じ設定にしつつも、

  • 3つの頭部に個性が与えられ、中央の頭部がリーダーであり、他の2つの頭部を従えているといった個性
  • 体質によって気象を操作することができ、移動時の周囲にハリケーンを発生させられる
  • 高い再生能力を持ち、首を切断されても再生可能
  • 翼や尻尾からも引力光線を発射し、広範囲に攻撃することが可能

といった新旧合わさった怪獣デザイン設計となっていました。

キングギドラと検索するとサジェストで弱いと出てくるほど歴代残念な戦績ではありますが、こいつは期待を裏切らない強さでした。  

ラドン / RODAN

https://godzilla-movie.jp/2019/images/monster_rodan_f.jpg

この作品には「ラドン」と「モスラ」も登場します。

名前は原住民から「炎の悪魔」と呼ばれていたものがそのまま採用し、デザインは火山岩の要素を皮膚に追加しています。特にラドンが登場したシーンのソニックブームで住民を吹き飛ばす様や、「ラドン対戦闘機」の空戦は抜群の描写しています。

特に戦闘機を上下の動きで圧倒するシーンの見応え、撃墜した戦闘機から脱出したパイロットを即座に捕食するシーンなど空戦で考えうるシーンを適宜描写しています。  

モスラ / MOTHRA

https://godzilla-movie.jp/2019/images/monster_mothra_f.jpg

モスラはいつものモスラだったので割愛しますが、幼体から登場し成体になりゴジラのアシストしてくれました。 中国・雲南省の古代遺跡で発見されたこともありチェン博士(チャン・ツィイー)とのシナジーが、巫女(小美人)を連想させられ似合うのですが、見ていて恥ずかしくなる感じがあります。  

ゴジラ / GODZILLA

https://godzilla-movie.jp/2019/images/monster_godzilla_f.jpg

今回は救世主と呼ばれた一方で、地続きの設定なので、多くの人命を奪ったため恨まれており、怪獣の討伐を主張している人もいる設定です。

そのおりゴジラvsキングギドラの戦闘中、討伐方針だった軍 (国連軍かもしれない)は「オキシジェンデストロイヤー」という如何にもな名前の兵器を使用しゴジラを瀕死状態にしてしまいます。

ちなみにこのオキシジェンデストロイヤーは日本版ゴジラシリーズで登場する芹沢大助が発明した「オキシジェンデストロイヤー(水中酸素破壊剤)」がそのまま引用されています。

ゴジラは回復をはかるために放射線が高い場所、ゴジラの巣に帰還します。ここでゴジラを復活させるため、芹沢猪四郎(渡辺謙)が核爆弾を持ってKAMIKAZEを行うことになるのは予想外でした。

芹沢猪四郎という人物は日本版ゴジラで登場する芹沢英二オマージュとして登場しているため、次回作を考えると生かしておくものだと思い込んでいたため、ここで退場してしまうのは素直に意外です。

初代ゴジラは芹沢英二博士が自らの発明が軍事利用されることを恐れ、その兵器でゴジラと相打ちとなる展開でしたが、 芹沢猪四郎は自分が犠牲になりつ逆にゴジラを蘇らせるために核を使うという展開は、本筋と逆説的な内容だなと感じています。

ただ、最後の言葉である「さらば友よ…」を日本語の台詞で発しているのが印象的で、英語字幕は「good bye old friend」 復活直後にかかる曲が「ゴジラのテーマ」なのは良い演出でした。

この後、作中で芹沢という名前が連呼され始めるのは個人的にはクドイかなと思います。 この効果によってバーニングゴジラ爆誕するのもゴジラシリーズの既定路線では有りますが見応えがあります。

ちなみにゴジラ撮影中、制作側が渡辺謙に「ガッジィーラと発音しろ」と言っていたものの、渡辺謙は「日本ではゴジラだからゴジラと言う」と言って、作中一人だけ発音がゴジラなのは好きなエピソードです。

最後に

怪獣映画の性質上、人間がどうしても置き去りになりがちのため、ストーリーテリングと人間描写に癖がありますが、 数十年ぶりに怪獣バトルを見た!といった感想でシンプルにオススメです。前述の通り、人間描写はパニックムービー的なので賛否はあると思います。

また、本作品ではアラン率いる環境テログループは全く打撃を受けていないため、エンドロール後ギドラの頭部を買うといった描写があり、おそらく次回作以降どこかでメカキングギドラが登場するのではないかという予想しています。

近年の国産ゴジラが不甲斐ないというのも有りますが、全体的に非常に良く出来ており、今後「レジェンダリー・ピクチャーズ」が良く作ってくれているので、次回作の「ゴジラ vs コング」もすでに期待できる内容なので、国内では特に製作しなくても良いかなと思った次第です。

個人的に直近のゴジラシリーズだったアニゴジ「GODZILLA 星を喰う者のギドラが総合的見てダメダメだったので今回の作品が際立ちました。

ちなみにゴジラ東宝の持ち物なので、今後劇場でゴジラ作品を見る場合、TOHOシネマズで鑑賞するとグッズの品揃えも良くオススメです。

今週のお題「おうち時間2021」